脳振盪
脳振盪とは、頭部への急激な衝撃によって、記憶喪失、あるいは受傷後6時間以内に回復した一時的な意識消失な状態です。
脳振盪は脳が急激に揺れる衝撃でおこる脳細胞の損傷で、一時的に運動麻痺やしびれも伴います。意識消失がなく15分以内に症状が軽快するものを軽度脳振盪、症状がなくなるまで15分以上要したものを中度脳振盪、数秒でも意識消失があれば重度と判断します。
スポーツの現場では頭部打撲による脳振盪や意識消失発作は比較的多く遭遇するスポーツ障害です。スポーツでは、いわゆるダウンする選手を見かけます。ボクシングでのノックダウンは脳振盪そのものですし、ラグビー、サッカーでの衝突や地面に東部を打ちつけた後数秒間意識を消失して、競技を再開するものの、翌日に聞くと打撲を遡って試合全体のことを殆ど覚えていないということがよくあります。
脳振盪の原因の多くが自動車事故で、その他に自宅での転倒、暴行、スポーツやレクリエーション活動中の事故、職場での機械操作中の事故などがあります。
近年の医学では、頭部CT、MRIの特殊撮影等の方法も試されておりますが、脳振盪の本質的な傷病態は実のところまだ不明なのです。
脳振盪は頭部打撲の衝撃により脳細胞が一時的に機能を停止、あるいはその一部が損傷を受けて一過性の意識障害が起こります。
健忘(けんぼう)(記憶が失われること)が起こるため、受傷時のことを思い出せません。
見当識(けんとうしき)の障害(日付や場所、周囲の人のことがわからない)や意識消失が一過性にみられることもありますが、ほとんどの場合は受傷直後に改善するため健忘だけが残り、その他の脳の機能異常は認められません。
頭痛や嘔吐などを伴うこともあります。
脳振盪は頭部CTでは異常が認められませんが、CTよりも精度の高い頭部MRIでは小さな出血やむくみ(浮腫)が映し出されることがあります。
脳振盪の西洋医学治療は、経過観察だけで正常に回復します。頭部CTで脳挫傷(のうざしょう)や血腫などの異常があれば、それに対する治療が行われます。頭痛や嘔吐があれば、症状に応じて安静、点滴あるいは薬物療法(対症療法として鎮痛薬や制吐薬など)が行われます。
脳振盪は脳にある程度以上の外力が加わり、意識障害が起こりますが、一瞬気を失った程度で回復し、脳自体に直接の損傷がないです。これに対し、脳が直接破壊された場合は脳挫傷(ざしょう)といわれ、持続する意識障害、けいれん、四肢の運動まひ、感覚の障害、言語障害、排尿障害、精神症状などがあらわれます。 脳浮腫を伴い、脳ヘルニア(脳の一部が髄膜をかぶったまま本来の場所より下方へ移動すること)を起こしやすいため、重症で生命の危機もあり、脳外科的な処置が必要です。
脳振盪鍼灸治療症例: 反射性交感神経性萎縮症の鍼灸治療症例:脳振盪患者177名。取穴:百会、風池、風府、大椎、天宗、風門、肺兪、後渓、曲池。電気針。
脳振盪鍼灸臨床経験:当鍼灸院では、多くの脳振盪患者の症状を回復させてきました。今も多くの脳振盪患者が通っていらっしゃいます。脳振盪患者の一人一人の症状に合わせて、当鍼灸院はきめ細かい針灸治療を行っています。針灸治療の結果、脳振盪患者の回復と予後はかなり良好です。多くの脳振盪患者は普通の生活に戻ることが可能になりました。
脳振盪後遺症の鍼灸治療は、一般的なリハビリより、回復の程度がよく、全快した人が多いです。
脳振盪患者さんの脳組織機能の回復を促進すると考えられます。