がん性疼痛
がん性疼痛とは、悪性腫瘍による痛みのことです。
WHO(世界保健機関)は、1986年にがんの患者さんを痛みから救うために「がんの痛みからの解放」という本を発刊しました。 その中で「がんの患者の痛みは治療できる症状であり、かつ早期に治療すべき症状である」と述べています。実際に、がん疼痛治療法は80%以上の至適除痛率があります。
身体的な痛みの種類は、大きく三つに分けられます。まず「癌自体が原因となる痛み」。これが全体の70~80%くらいにあたります。次に癌に関連した痛み、筋攣縮、便秘、蓐瘡などです。それから癌治療による痛み、手術後の傷跡や放射線治療による口内炎などが挙げられます。最後に、合併症による痛み(筋肉痛や骨関節炎による痛み)です。Dr.Twycrossによると、進行癌の患者さんは、これらの痛みのうち三つを常時抱えているとされています。 癌患者さんは次第に衰弱していくので、診断に必要な検査がいつも全てできるわけではありません。腫瘍の進展のパターンをよく知り、痛みの原因を推定していく能力が必要となります。
一般的ながん性疼痛のスクリーニング検査としては、問診、触診、超音波検査等が実施されます。臨床的にがん性疼痛疑いがありますと、MRIおよび細胞診や生検が実施され病理学的診断により癌であるかどうか判別されます。
以下にWHOによる癌の痛みの診断の手順を挙げます。
がん性疼痛に対する針灸治療は、中国でも盛んに行っています。中国政府は針灸、漢方のがんに対する治療効果を重視し、多額な資金を投入し、多くの研究成果を上げています。カンボウジアのシアヌーク国王が1979年頃にガンを罹患し、西洋医学医に余命があと半年しかないと宣告され、中国政府に治療を求めました。中国政府は針灸、漢方医療チームを結成し、シアヌーク国王の治療に当てました。その後、シアヌーク国王が30年も生きられ、91才まで生きられました。
西洋医学的な治療では、さまざまな副作用があります。このため、当院は二十年数前からがん性疼痛の針灸治療を取り組んできました。最新のがん研究情報に基づき、病院の西洋医学的な治療と平行に東洋医学の針灸治療を取り入れ、がん性疼痛の治療成績を向上し、手術療法・放射線療法・化学療法などの副作用・後遺症を減らせることができました。
がん性疼痛鍼灸(針灸)治療:がん性疼痛患者さん、取穴:痞根、肺兪、心兪、屋翳、足三里、天宗、肩井、腎兪、肝兪、太沖、三陰交。お灸。
がん性疼痛鍼灸(針灸)臨床経験: 当針灸院(鍼灸院)では、多くのがん性疼痛患者の症状を回復させてきました。今も多くのがん性疼痛患者が通っていらっしゃいます。がん性疼痛患者の一人一人の症状に合わせて、当針灸院(鍼灸院)はきめ細かな針灸治療を行っています。針灸治療の結果、多くのがん性疼痛患者は正常な生活を送ることができるようになりました。
西洋医学的な治療の癌(がん)に対する治療は、がん細胞のみならず、同時に正常な細胞も障害を受けることは避けられませんので、副作用・後遺症を伴います。がん性疼痛も同様です。そのため副作用も強くあらわれることがあります。針灸の併用治療で、後遺症と副作用を減軽することができます。
また、針灸治療によって、免疫機能が強化され、自分の持っている回復力を利用して、癌細胞の繁殖を抑制し、生存率を高めることができます。
針灸治療によって、免疫機能が強化され、自分の持っている回復力を利用して、癌細胞の増殖を抑制すると考えられます。