子宮体がん
子宮体がんとは、子宮体部の粘膜から発生するがんです。
子宮内膜に発生したがんは次第に子宮の筋肉に浸潤(しんじゅん)します。さらに子宮頸部(けいぶ)や卵管・卵巣に及んだり、骨盤内や大動脈周囲のリンパ節に転移したりします。さらに進行すると、腹膜・腸・肺・肝臓・骨などに転移します。
子宮癌のうち子宮内膜に発生するものを子宮体癌といい、子宮内膜癌とも呼ばれます。婦人科癌では最も多く、女性の間では4番目に多い癌です。この癌は通常、閉経後に生じ、年代別では50ー60歳の女性に最も多くみられます。
子宮体がんはエストロゲンによって増殖するタイプとエストロゲンに関係なく発生するタイプがあります。ハイリスク因子として30歳以降の月経不順、閉経が遅い、出産歴がない、肥満―などがあります。乳がんのホルモン療法に用いられるタモキシフェン内服や、更年期障害のホルモン補充療法でプロゲステロン製剤を内服せずエストロゲン製剤単独の内服で発生しやすくなります。また糖尿病、高血圧、家族性に発生する乳がんや大腸がんと関係があると考えられています。
子宮体がんの症状は不正性器出血です。特に閉経後の出血には注意が必要です。子宮留膿腫を合併して膿性帯下と出血を伴うときは子宮体がんを強く疑います。子宮体がんは増大すると子宮全体が腫大して子宮収縮を伴う腹痛も出現します。さらに進行すると卵管に広がり卵巣に転移して腹腔内に子宮体がんの細胞が広がってがん性腹膜炎になります。子宮体がんの進行は卵管経由とは別に子宮筋層に深く浸潤してリンパ管を通ってリンパ節に転移したり、血管に入って肺や肝臓に転移する場合もあります。
パップスメア検査の結果に異常がみられる場合は、子宮内膜の生検が行われます。子宮内膜の生検で、90%以上の確率で子宮体癌を検出できます。それでも診断が確定できない場合には、子宮頸管拡張と子宮内掻爬を行い、子宮内膜から組織をこすり取ります。同時に、細く柔軟性のある内視鏡を腟から子宮内に挿入し、子宮内部を観察することもあります(子宮鏡検査)。 子宮体癌と診断された場合は、癌が子宮の外まで広がっていないかどうかを確認するため、血液検査、肝機能検査、胸部X線検査、CT検査、MRI検査などを行います。これ以外の検査が必要となる場合もあります。
子宮体がんに対する針灸治療は、中国でも盛んに行っています。中国政府は針灸、漢方のがんに対する治療効果を重視し、多額な資金を投入し、多くの研究成果を上げています。カンボウジアのシアヌーク国王が1979年頃にガンを罹患し、西洋医学医に余命があと半年しかないと宣告され、中国政府に治療を求めました。中国政府は針灸、漢方医療チームを結成し、シアヌーク国王の治療に当てました。その後、シアヌーク国王が30年も生きられ、91才まで生きられました。
西洋医学的な治療では、さまざまな副作用があります。このため、当院は二十年数前から子宮体がんの針灸治療を取り組んできました。最新のがん研究情報に基づき、病院の西洋医学的な治療と平行に東洋医学の針灸治療を取り入れ、子宮体がんの治療成績を向上し、手術療法・放射線療法・化学療法などの副作用・後遺症を減らせることができました。
子宮体がん鍼灸(針灸)治療:子宮体がん患者さん201名、取穴:子宮、肺兪、心兪、屋翳、足三里、碑中、天宗、肩井、腎兪、肝兪、太沖、三陰交。お灸。
子宮体がん鍼灸(針灸)臨床経験: 当針灸院(鍼灸院)では、多くの子宮体がん患者の症状を回復させてきました。今も多くの子宮体がん患者が通っていらっしゃいます。子宮体がん患者の一人一人の症状に合わせて、当針灸院(鍼灸院)はきめ細かな針灸治療を行っています。針灸治療の結果、多くの子宮体がん患者は正常な生活を送ることができるようになりました。
西洋医学的な治療の癌(がん)に対する治療は、がん細胞のみならず、同時に正常な細胞も障害を受けることは避けられませんので、副作用・後遺症を伴います。子宮体がんも同様です。そのため副作用も強くあらわれることがあります。針灸の併用治療で、後遺症と副作用を減軽することができます。
また、針灸治療によって、免疫機能が強化され、自分の持っている回復力を利用して、癌細胞の繁殖を抑制し、生存率を高めることができます。
針灸治療によって、免疫機能が強化され、自分の持っている回復力を利用して、癌細胞の増殖を抑制すると考えられます。