肺がん
肺癌(肺がん)とは、肺に発生する上皮細胞由来の悪性腫瘍のことです。
肺がんは気管、気管支、肺胞の細胞が正常の機能を失い、無秩序に増えることにより発生します。最近、がんの発生と遺伝子の異常についての研究が進んでいますが、細胞がなぜがん化する(無秩序に増える悪性の細胞にかわる)のかまだ十分わかっておりません。がんは周囲の組織や器官を破壊して増殖しながら他の臓器に拡がり、多くの場合、腫瘤(しゅりゅう)を形成します。他の臓器にがんが拡がることを転移と呼びます。肺癌(肺がん)の90%以上が気管支原性癌、つまり気管・気管支、細気管支あるいは末梢肺由来の癌です。
肺癌(肺がん)による死亡者数は全がん死の17%を占め、最も多く、世界中で年間130万人ほどが肺癌(肺がん)で死亡しています。日本では全がん死の19%を占め、男性では全がん死の中で最も多く、女性では大腸癌(結腸がんおよび直腸がん)・胃癌に次いで3番目を占めています。肺癌(肺がん)は喫煙歴がある50才代のグループにもっとも多く見られます。肺癌(肺がん)は癌患者数の第二位に位置し、男性でも女性でもがん死のトップです。男性の肺癌死亡率は低下傾向ですが、女性の喫煙者グループの増大とともに肺癌死も増加しています。肺癌(肺がん)の罹患率、死亡率は、ともに40歳代後半から増加し始め、高齢ほど高くなります。肺癌(肺がん)死亡率の年次推移は、1960年代から80年代に急激に増加しましたが、90年代後半から男女とも若干の減少傾向にあります。男性の肺癌(肺がん)死亡率の年次推移を生まれた年代別に見ると、1930年代後半に生まれた人は低く、その前後に生まれた人は高い傾向があります。これは30年代後半生まれの世代は、生涯喫煙率が低いことと関連があります。
肺癌(肺がん)罹患率の国際比較では、日本人は欧米人に比べると低い傾向があります。がんの組織型では、近年、扁平上皮がんに比べ、腺がんの割合が増加しています。
小細胞がんは肺癌(肺がん)の約15~20%を占め、増殖が速く、脳・リンパ節・肝臓・副腎・骨などに転移しやすい悪性度の高いがんです。しかし、非小細胞肺がんと異なり、抗がん剤や放射線治療が比較的効きやすいタイプのがんです。約80%以上小細胞肺がんでは、がん細胞が種々のホルモンを産生しています。しかし、ホルモン産生過剰による症状があらわれることはまれです。小細胞肺癌は肺癌の20%程度を占め、喫煙との関連性が大きいとされ、中枢側の気管支から生ずることが多いです。悪性度が高く、急速に増大・進展し、またリンパ行性にも血行性にも早いうちから脳などの他臓器に転移しやすいため、発見時すでに進行がんである事が多いです。がん遺伝子としてはL-myc が関わっています。小細胞肺がんの診断時に既に転移が見られることが多いため、化学療法、放射線療法が行われることが多く、放射線療法、化学療法に対して比較的感受性があるものの、多くは再発するため予後はあまり良くないです。ランバート・イートン症候群(LEMS)などの傍腫瘍症候群を合併することがあります。
肺扁平上皮癌は、気管支の扁平上皮から発生する癌です。喫煙との関係が大きく、中枢側の気管支から生ずることが多いです。肺扁平上皮癌の病理組織学的検査では、扁平上皮細胞の球から内側に分泌されたケラチンが纏まり真珠のように見られることがあり、癌真珠といいます。
肺腺癌は、肺の腺細胞から発生する癌です。発生部位は肺末梢側に多く、喫煙とも関連しますが、非喫煙者の女性に発生する肺癌は主にこの型です。肺腺癌の病理組織学的検査では、がん組織が腺腔構造を作っていることが特徴的です。
細気管支肺胞上皮癌は肺腺癌の亜型で、形態学的に細気管支上皮・肺胞上皮に類似した高分化腺癌です。全肺癌の3-4%を占めます。他の非小細胞肺癌と比較すると若年者、女性に多く、進行は比較的緩徐で喫煙との関連が薄いです。
肺大細胞癌は、未分化な非小細胞肺癌のことです。
カルチノイド、円柱、粘表皮癌など。
全身から右心系に集まってきた血液が肺へ送られるため、肺以外の原発巣からの血行性転移の好発部位となります。原発性肺癌のみを「肺癌」と呼び、転移性肺癌を含めない使い方もあります。
肺内の気道粘膜の上皮は、発癌性物質に曝露されると速やかに、小さいながらも変異を生じ、小さな変異が積み重なって大きな傷害となり、遂には組織ががん化するに至ります。腫瘍が気管支腔内へ向かって成長すれば気道は閉塞・狭窄し、場所と程度によってはそれだけで呼吸困難を起こします。気道が完全に閉塞すれば、そこより末梢が無気肺となり、細菌の排出が阻害されることにより肺炎を生じやすくなります。また、腫瘍の血管はもろく出血しやすいため、血痰を喀出するようになります。
肺癌(肺がん)が進行するまでは無症状であることが多いですが、一般的な肺癌(肺がん)症状は、血痰、慢性的な激しい咳、喘鳴、胸痛、体重減少、食欲不振、息切れなどがあります。なかなか治りにくい咳や胸痛、呼吸時のゼーゼー音、息切れ、血痰、声のかれ(嗄声)、顔や首のむくみなどが一般的症状です。
扁平上皮がんや小細胞がんに多い肺門型の肺癌(肺がん)は、早期から咳、痰、血痰などの症状が出現しやすいものです。腺がんに多い肺野型の肺癌(肺がん)は、がんが小さいうちは肺癌(肺がん)症状が出にくい傾向があり、検診や人間ドック、高血圧などの他の病気で医療機関にかかっている時に見つかることが多くなっています。ときに肺癌(肺がん)転移病巣の症状、脳転移による頭痛、骨転移による腰痛などの骨の痛みなどが最初の症状である場合もあります。また、胸痛が現れることもありますが、これは肺癌(肺がん)が胸壁を侵したり、胸水がたまったりするためです。その他、肩こり、肩痛、背中の上部痛、肩から上腕にかけての痛みもまれにあります。他のがんと同様に肺癌(肺がん)でも、易疲労感、食欲不振、体重減少が表れることがあります。小細胞肺癌(肺がん)は種々のホルモンを産生します。そのため、まれに副腎皮質刺激ホルモンによるクッシング症候群と呼ばれる身体の中心部を主体とした肥満、満月のような丸い顔貌、全身の皮膚の色が黒くなる、血圧が高くなる、血糖値が高くなる、血液中のカリウム値が低くなるなどの症候が現れることもあります。その他、まれに抗利尿ホルモンの産生による水利尿不全にともない、血液中のナトリウム値が低くなり、食欲不振などの消化器症状や神経症状・意識障害が出現することがあります。
肺癌(肺がん)は、検診等で偶然撮影した、あるいは何か症状があって撮影した胸部レントゲン写真・CTで異常影が認められ、疑われることが多いです。肺癌(肺がん)の検査には、胸部異常影が肺癌(肺がん)であるかどうかの確定診断のための検査と、肺癌(肺がん)の病期を決定し治療方針を決めるための検査があります。
CEA、SCC、CYFRA、ProGRP、NSEなど)の高値の場合、肺癌(肺がん)が存在する可能性があります。
喀痰細胞診で癌細胞が検出されれば、肺癌(肺がん)の可能性が非常に高く、逆に肺癌(肺がん)があるとき細胞診検体に癌細胞が出現しないことも多いです。
肺癌(肺がん)が肺末梢に存在する場合異常を観察できないことが多い。その場合、経気管支生検、経気管支擦過細胞診、気管支洗浄などで肺末梢から検体を採取し、肺癌(肺がん)の確定診断を行います。また、蛍光気管支鏡や気管支腔内超音波断層法等によって極早期の肺癌(肺がん)の発見が可能となっています。
CTを撮影しながら針を直接経皮的に肺腫瘤に突き刺し生検を行い、病理学的に肺癌(肺がん)確定診断を行います。
核種で標識したブドウ糖を点滴静注し、その集積をみることで肺腫瘤が癌かどうか、リンパ節および全身に転移がないかどうか推定できます。
肺癌(肺がん)の脳転移や骨転移の有無をみます。
長期間続くせき、息切れや血の混じったたんを伴うせきなどの肺の症状がみられる人、特に喫煙者で、肺癌(肺がん)の可能性を疑います。肺癌(肺がん)症状のない人の中には、胸部X線検査で見つかった陰影が、肺癌(肺がん)診断の最初の手がかりになることがありますが、X線画像上の陰影だけでは肺癌(肺がん)と断定できません。胸部X線検査でほとんどの肺癌(肺がん)が検出できますが、小さいものは見落とす場合があります。
CT検査では、胸部X線検査ではみられなかった小結節が見つかる場合があります。CT検査ではまた、リンパ節腫大の有無もわかります。腫大の原因が炎症なのか癌なのかを確認するため、腫大したリンパ節の生検が必要になります。
普通、肺組織の顕微鏡検査が診断を確認するために必要です。ときに、咳で吐き出された痰から喀痰細胞診をします。気管支鏡検査は組織を採取するために行います。癌が肺の奥にあって気管支鏡が届かない場合は、針生検を行います。
癌は、腫瘍の大きさ、近くのリンパ節への転移の有無、離れた他の器官への転移の有無によって病期診断されます。個々の病期診断をステージといいます。癌の病期診断ごとに最も適した治療法が示され、経過も予測できます。
がん病巣の拡がりぐあいで病気の進行を潜伏がん、0、I、II、III、IV期に分類します。
潜伏がん:がん細胞が、痰の中に見つかっているのですが、胸の中のどこに病巣があるかわからない非常に早期の段階です。
0期:がんは局所に見つかっていますが、気管支をおおう細胞の細胞層の一部のみにある早期の段階です。
IA期:がんが原発巣にとどまっており、大きさは3cm以下で、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階です。
IB期:がんが原発巣にとどまっており、大きさは3cmを超え、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階です。
IIA期:原発巣のがんの大きさは3cm以下であり、原発巣と同じ側の肺門のリンパ節にがんの転移を認めますが、他の臓器には転移を認めない段階です。
IIB期:原発巣のがんの大きさは3cmを超え、原発巣と同じ側の肺門のリンパ節にがんの転移を認めますが、他の臓器には転移を認めない段階です。あるいは、原発巣のがんが肺をおおっている胸膜・胸壁に直接およんでいますが、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階です。
IIIA期:
原発巣のがんが直接胸膜・胸壁に拡がっていますが、転移は原発巣と同じ側の肺門リンパ節まで、または縦隔と呼ばれる心臓や食道のある部分のリンパ節に認められますが、他の臓器には転移を認めない段階です。
IIIB期:原発巣のがんが直接縦隔に拡がっていたり、胸膜へ転移をしたり、胸水がたまっていたり、原発巣と反対側の縦隔、首のつけ根のリンパ節に転移していますが、他の臓器に転移を認めない段階です。
IV期:原発巣の他に、肺の他の場所、脳、肝臓、骨、副腎などの臓器に転移(遠隔転移)がある場合です。
小細胞肺がんでは、潜伏がん、0、I、II、III、IV期などの分類以外に、限局型、進展型に大別する方法も使われています。 限局型:がんは片側の肺と近くのリンパ節(縦隔のリンパ節、がんのある肺と同側の首のつけ根にある鎖骨上リンパ節も含む)に見つかる場合です。 進展型:がんは肺の外に拡がり、がんの転移が身体の他の臓器にも見つかる場合、すなわち遠隔転移のある場合です。
肺癌(肺がん)の中でも小細胞肺癌(肺がん)は他の組織型と生物学的な性格が大きく異なるため、小細胞肺癌(肺がん)とそれ以外の組織型を併せた非小細胞肺癌の二つに大別して治療方法があります。
小細胞肺癌(肺がん):小細胞肺癌(肺がん)は、基本的に発育が早いため、ほとんど発見時には進行性である場合が多く、また、CTなどの画像検査上限局しているように見えても検出できない程度の微少転移癌(がん)が既に存在していることがほとんどである。そのため手術や放射線療法などの局所治療の効果は極めて限定的であり、化学療法が治療の中心です。
非小細胞肺癌(肺がん):非小細胞肺癌(肺がん)では、stageIIIa期までは手術療法が検討され、一方、それ以上の臨床病期では手術の適応となることは乏しく、化学療法、放射線療法が治療の主体です。
肺癌(肺がん)の生存率は、患者さんの年齢や合併症の有無などの影響も受けます。用いるデータによってこうした他の要素の分布が異なるため、肺癌(肺がん)生存率の値が異なる可能性があります。
肺癌(肺がん)治療開始からの5年生存率は、がんの病期と全身状態により異なります。手術をした場合の5年生存率は、病期I期(IA、IB期):70%、II期(IIA、IIB期):50%、IIIA期:25%です。手術が適切でないIII期で、放射線療法と化学療法の合併療法を受けた場合、2年生存率は40~50%、5年生存率は15~20%です。IV期で化学療法を受けた場合、1年生存率は50~60%です。
肺癌(肺がん)限局型で放射線療法と化学療法の合併療法を受けた場合、2年、3年、5年生存率はそれぞれ約50、30、25%です。進展型肺癌(肺がん)で化学療法を受けた場合、3年生存率は約10%です。
肺癌(肺がん)に対する針灸、漢方治療は、中国でも盛んに行っています。中国政府は針灸、漢方のがんに対する治療効果を重視し、多額な資金を投入し、多くの研究成果を上げています。カンボウジアのシアヌーク国王が1979年頃にガンを罹患し、西洋医学医に余命があと半年しかないと宣告され、中国政府に治療を求めました。中国政府は針灸、漢方医療チームを結成し、シアヌーク国王の治療に当てました。その後、シアヌーク国王が30年も生きられ、91才まで生きられました。
現状の西洋医学的な治療技術によって完全に治る肺がんは多くなく、また、治療にもさまざまな副作用があります。このため、当院は二十年数前から肺癌(肺がん)の針灸治療を取り組んできました。最新のがん研究情報に基づき、西洋医学的な治療と平行に東洋医学の針灸治療を取り入れ、治療成績を向上し、手術療法・放射線療法・化学療法などの副作用・後遺症を減らせることができました。
肺癌(肺がん)鍼灸(針灸)治療:肺癌(肺がん)患者60名、取穴:風門、心兪、肺兪、大椎、天突、尺澤、豊隆、足三里、肺兪、腎兪など。お灸。
肺癌(肺がん)鍼灸(針灸)臨床経験: 中国医学鍼灸院では、多くの肺がんの症状を改善してきました。今も多くの肺がん患者が通っていらっしゃいます。肺がん患者の一人一人の症状に合わせて、中国医学鍼灸院はきめ細かい針灸(鍼灸)治療を行っています。中国鍼灸の針灸(鍼灸)治療では、肺がん患者の回復と予後は良好で、多くの肺がん患者は普通の生活が可能となりました。
西洋医学的な治療の癌(がん)に対する治療は、がん細胞のみならず、同時に正常な細胞も障害を受けることは避けられませんので、副作用・後遺症を伴います。肺がんも同様であり、特に、小細胞がんは急速に進行し致命的になりうるので、この病気に対する治療は強力に行う必要があり、そのため副作用も強くあらわれることがあります。当院は針灸治療で、治療による後遺症と副作用を最低限に減軽することができます。5年以上の生存率をも高めることができます。
また、針灸治療によって、免疫機能が強化され、自分の持っている回復力を利用して、癌細胞の繁殖を抑制し、生存率を高めることが可能です。
針灸治療によって、免疫機能が強化され、自分の持っている回復力を利用して、癌細胞の増殖を抑制すると考えられます。
[ 症状、ご相談内容 ] :
肺癌線癌、骨転移(線コツ溶けて)奇跡的に寝たきりのはずが放射線で歩けるまでにしかし、しびれは残る。その後、リンパ移で胸骨が塊み
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[ 症状、ご相談内容 ] :
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[ 症状、ご相談内容 ] :
小生、元来の病気、再生不良性貧血で、現在肺がんを
患っていて、リンパ節と肺に転移しております。原発の肺は右肺を3/2を切除しましたが、リンパ節の部分は、
何とか放射線で治療しましたが、あまり、うまくいかず
抗がん剤を使えないので、鍼灸で何か良い方法があれば
伺いたいと思いメールを致しました。又、費用など、どの位かかるものかもお聞きしたいと思いまして。
当院の返事:
当院の鍼灸治療は再生不良性貧血には、かなり
有効です。
鍼灸治療は肺がんの手術、化学療法以外の代替療法として、
免疫を高める効果があり、良い選択肢の一つだと思います。
治療費は6500円/1回です。
どの位かかるかは、診察してみないと分かりませんので、
一度お電話予約した上、ご来院ください。