不正性器出血
不正性器出血とは、出産や婦人科手術後などでなく、月経以外に出血が起こる異常な出血です。
女性性器からの出血のうち、生理的でないものをすべて不正性器出血と呼びます。生理的な出血とは月経と出産時の出血およびその後の悪露ですので、非妊娠時に起こる月経以外の出血は不正性器出血とみなしてよいことになります。
思春期から更年期にかけて、私たち健康な成熟した女性には、卵巣から分泌される女性ホルモンの影響で、ほぼ月に1度、子宮から出血がおこります。これはご存知のように月経といわれるもので、生理的な出血です。他に生理的な出血としては、分娩、産褥期(分娩の後、6〜8週間)の出血があります。この他の女性性器からの出血は、病的出血とみなし、「不正性器出血」といいます。
成熟期の月経異常には周期の異常(正常周期は二十五〜三十八日)、持続日数の異常(三〜七日が正常)、月経血量の異常、随伴症状の異常(腹痛、腰痛、吐き気など)があります。異常が出現した際は、まず妊娠(正常妊娠、流産や子宮外妊娠などの異常妊娠)や悪性腫瘍、良性腫瘍、炎症、外傷など「器質的疾患」に伴う不正性器出血を否定することが大切です。子宮頸がん、子宮体がんなどの悪性腫瘍部位からの出血を、月経の異常と思いこむこともあり、また、過多月経(月経血量の増加)や腹痛、腰痛を伴う月経は、子宮筋腫や子宮内膜症が原因であることも考えられます。
当院の不正性器出血治療の目的は、不正性器出血の回復程度を高めることと不正性器出血が完治するまでの時間の短縮することです。
多くの西洋医学治療で回復できない不正性器出血患者さんの期待に応えるため、当院が25年間、特に不正性器出血の治療に力を入れて、臨床経験を重ねた結果、独自な電気ハリを考案いたしました。そして良い成果を上げています。
鍼灸治療によって、治癒した例、改善した例を合わせると患者の85%を占めます。
不正性器出血が多様なため、当院の治療方法もそれに応じて、多様に渡って行います。当院は中医学的な弁証論治の基本を元に、特殊な電気ハリで、最大限の効果を引き出しています。
不正性器出血の鍼灸治療症例 :不正性器出血患者275名、取穴:百会、翳明、中極、中脘、気海、関元、天枢、腎兪、次髎、足三里、大敦、委中、極泉、三陰交、太沖。電気針。気海に間接灸。。
不正性器出血の鍼灸臨床経験 :当院では、多くの不正性器出血患者の症状を回復させてきました。今も多くの不正性器出血患者が通っていらっしゃいます。不正性器出血患者の一人一人の症状に合わせて、当院はきめ細かい針灸治療を行っています。針灸治療の結果、不正性器出血患者の生活の質と予後はかなり良好です。大多数の子不正性器出血患者は普通の生活に戻ることが可能になりました。
鎮痛効果がよく、かなり多くの不正性器出血患者を数回の鍼灸治療で、過多月経と強い月経痛が改善されました。鍼灸治療で、過多月経と強い月経痛が無くなった患者さんに、一定期間治療を終わった後、MRI画像を確認したところ、筋層内に浸潤した子宮内膜が吸収されました。
当院独自開発した【腹部透穴針】治療法:腹部にある二つ離れている特殊なツポに一本の針を通し、微電流をかけますと、これらの刺激が生物電信号に変わり、神経の伝達を通じ、子宮と卵巣の働きを改善する仕組みです。
1.【腹部透穴針】:特殊なツボにハリを打ちます。
2.ハリに微弱電流を流します。
3.腹腔動脈の血流量が増え、子宮と卵巣への血流供給を増やします。
4.子宮と卵巣の働きを活性化します。
【子宮内膜症治療の実際様子と流れ】
1.当院独自開発した【腹部透穴針】治療法:
特殊なツボにハリをうちます。
2.ハリに微弱電流を流します。
3.痛みを感じない程度の治療が多いので、
寝ってしまうことがあります。
4.起きたら、治療完了です。
5.鍼灸治療が終わった後に生活注意事項を説明します。
不正性器出血の原因は不明です。不正性器出血では、年齢的に30歳代後半の女性に多くみられます。分娩、流産などにより、子宮が急激に収縮するとき、内膜組織が筋層内にもぐりこんでしまうといった説もありますが、分娩、流産を経験していない人にも不正性器出血が見られることがあります。
不正性器出血の原因によって症状の現れ方はさまざまです。
不正性器出血の原因によっては、ほかの症状を伴うことを特徴とすることもあります。腫瘍性病変の場合は、性交中や性交後に出血が起こることが特徴ですが、子宮体部の腫瘍の場合は、性交と関係はあまりありません。感染や炎症を原因とする場合は、発熱や痛みを、また帯下(たいげ)(おりもの)を伴うこともあります。帯下と出血が混じり、一見、出血が濁った色調になっていることもあります。
視診や膣鏡診、内診、子宮がん検診、超音波検査などで、これらの器質的疾患がないことが確認された場合の月経周期異常に対しては、ホルモンバランス異常による機能的疾患が考えられます。その多くは排卵がなかったり、あっても排卵までに時間がかかったり、排卵後に卵巣にできる黄体の働きが不十分であるために起きるトラブルです。
出血部位を確認するための視診がまず重要です。外傷の有無も、視診で診断できます。また、妊娠中であるかどうかも最初に確認します。本人が妊娠に気づいていないこともあり、尿検査が必要になることもあります。何か薬剤をのんでいないか、持病がないかという情報も出血の原因を探るのに重要です。
性器からの出血であることが確認でき、妊娠中でない時は、最も重要な病気である腫瘍のスクリーニング検査が必要です。子宮頸部の表面や子宮体部の内部を軽くこすって細胞を採取し、病理学的検査(細胞診)を行います。細胞診で異常所見がみられた場合は、組織診などの精密検査が必要です。
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