黄体機能不全
黄体機能不全とは、黄体からのホルモン分泌が不十分になったり、黄体の存続そのものが短縮する状態です。
黄体とは、卵巣で卵胞が排卵したあとに変化してつくられる器官です。主に黄体ホルモンを分泌し、受精卵の子宮内膜への着床や妊娠の維持に重要な役割を果たしています。黄体からのホルモン分泌が不十分になったり、黄体の存続そのものが短縮しますと、不妊症の原因にもなります。
女性の体は毎月、妊娠の準備のため、一定のサイクルでホルモンが分泌されています。その中で受精卵の着床に備える役割を担っているのが黄体ホルモン(プロゲステロン)です。黄体ホルモンは子宮内膜を厚くフカフカに整え、受精卵が着床しやすい環境を作ります。卵胞期に卵胞が発育→排卵→その後黄体期に黄体が形成され→黄体ホルモンを分泌する。この流れは、受精卵の着床と妊娠初期の維持にとても大切です。黄体期に何らかの異常があれば黄体機能不全となります。黄体機能不全はこの黄体ホルモンの分泌が悪くなる状態をいいます。
黄体機能不全のはっきりした原因はわかっていません。黄体機能不全の症状は、黄体期が短くなるために、月経周期が短くなったり、ときには無月経、または不正出血が起こる場合もあります。受精卵が着床するための準備が十分にできなくなるので、不妊症の原因にもなります。不妊症患者の約10%が黄体機能不全とも言われています。
黄体機能不全かどうかを調べるのに欠かせないのが、基礎体温の測定です。高温相に入る時の温度の上がり方が鈍かったり、高温相と低温相の温度差がほとんどなかったり、高温相が10日以内と短いケースは黄体機能不全が疑われます。ただし基礎体温は、体調の変化に大きく影響されますので、グラフに体温を記録する際に、簡単なメモを記入しておくと医師が診断する上で参考になります。
もし、自分で基礎体温表をつけている場合には、高温期の日数が10日以内だったり、高温期と低温期の差の平均が0.3℃以内といった場合には、黄体機能不全が疑われますので、病院での検査をお勧めします。
当院の黄体機能不全の治療目的は、黄体機能不全患者のできるかぎりの回復の機会を提供することと黄体機能不全の完全な回復までの時間を短縮することです。
黄体機能不全の治療は、西洋医学以外に東洋医学があります。当院は黄体機能不全患者の期待に応えるため、30年間、黄体機能不全の治療に力を入れて、試行錯誤の末、独自の電気針灸治療法【腹部透穴針】を開発しました。そして良い成果を上げています。
鍼灸治療によって、治癒した例、改善した例を合わせると患者の85%を占めます。
黄体機能不全の原因が多様なため、当院の治療方法もそれに応じて、多様に渡って行います。当院は中医学的な弁証論治の基本を元に、特殊な電気針治療法を組み合わせることで、最大限の効果を引き出します。
当院の針灸治療で、多くの黄体機能不全患者さんの黄体機能が回復しました。異常出血も正常の生理に戻り、妊娠できたケースも多く見られました。
黄体機能不全鍼灸治療症例 :黄体機能不全の患者115名、【腹部透穴針】取穴:子宮、石関、腎兪、命門、陰交、胞門、子戸、足三里、百会、風池、血海、三陰交。関元にお灸併用。電気針。
黄体機能不全鍼灸臨床経験 :当院では、多くの黄体機能不全の症状を完治、或いは改善してきました。今も多くの黄体機能不全患者が通っていらっしゃいます。黄体機能不全患者の一人一人の症状に合わせて、当院はきめ細かい針灸(鍼灸)治療を行っています。中国鍼灸院の針灸(鍼灸)治療では、黄体機能不全患者の回復と予後は良好で、多くの黄体機能不全患者は普通の生活が可能となりました。
黄体機能不全の治療は多少時間がかかることもありますが、きちんと通院して、あせらず気長に治していこうという気持ちをもつことが大切です。基礎体温を測り、黄体期にこの病気の特徴が現れていたら、鍼灸治療を受けてください。
西洋医学では黄体ホルモン(プロゲステロン)の補充で、対症療法が主な治療です。これに対し、鍼灸治療で、治った黄体機能不全患者さんのほとんどは再発もなく、抜本的な治療法とも言えます。
黄体期に出血がみられることも黄体機能不全の症状のひとつですが、不正性器出血の可能性もあるので、黄体期出血に対しては妊娠の希望がなくても医師の診察を受けることを勧めます。
当院独自開発した【腹部透穴針】治療法:腹部にある二つ離れている特殊なツポに一本の針を通し、微電流をかけますと、これらの刺激が生物電信号に変わり、神経の伝達を通じ、卵巣黄体の働きを健常化する仕組みです。
1.【腹部透穴針】:特殊なツボにハリを打ちます。
2.ハリに微弱電流を流します。
3.腹腔動脈の血流量が増え、卵巣への血流供給が増えます。
4.卵巣の働きを活性化します。
5.黄体の働きを健常化します。
【黄体機能不全治療の実際様子と流れ】
1.当院独自開発した【腹部透穴針】治療法:
特殊なツボにハリをうちます。
2.ハリに微弱電流を流します。
3.痛みを感じない程度の治療が多いので、
寝ってしまうことがあります。
4.起きたら、治療完了です。
5.鍼灸治療が終わった後に生活注意事項を説明します。
女性の卵巣機能のコントロールについては、脳の中にある間脳視床下部や脳下垂体といった器官がコントロールしています。これらの器官がコントロールしているおかげで、性周期の時期にあわせて適切なホルモンが分泌さるのです。そのような重要な役割を持っている「視床下部」や「下垂体」の機能に異常が発生してしまうと、ホルモンの分泌やバランスが乱れてしまいます。この影響が黄体にまで及んでしまうと、黄体機能不全になる場合があります。
間脳視床下部や脳下垂体に問題がなくても、卵巣自体に問題が起こっており、卵胞から黄体への変化が十分に出来ない場合もあります。これも黄体機能不全の一因となってしまいます。
黄体機能不全の検査としては、プロゲステロンの分泌が正常かどうかを調べるために、黄体期に血液検査を行って血中のプロゲステロン値を測定します。この測定結果が一定値未満ですと、黄体機能不全である可能性が高くなってきます。この場合、さらに詳しく調べるために、黄体期の子宮内膜の組織検査をする場合もあります。
黄体機能不全かどうかを調べるのに欠かせないのが、基礎体温の測定です。
月経周期毎に毎回同じ黄体機能であるとは言えないことや基礎体温の測定誤差などもありますので、黄体機能不全の診断は難しいのです。
黄体機能不全の西洋医学治療は、黄体機能不全の原因となっている因子に対する治療が主となります。同時に、全身性の病気がある場合は、その治療も行います。 中枢機能の不整のために排卵が正しく起こらない状態と考えられる場合には、積極的な排卵誘発療法が行われます。これに、黄体期での黄体ホルモンなどの補充を加えることもあります。ただし、これらは妊娠を望む人に行われる治療であり、妊娠を希望しない人には必ずしも必要ではありません。
[ 症状、ご相談内容 ] :
2013年と2014年のそれぞれ年初に妊娠しましたが、繋留流産でした。(どちらも手術はせずに自然排出を待ちました。)
実は当時から黄体期に若干不正出血がありましたが、妊娠そのものの妨げにはならなかったようです。ただ、今もその傾向はさらに強まり、黄
体期の前半くらいから出血が見られるようになり、黄体期のものも10日程度で終わるようになりました。
かかりつけの産婦人科には定期的に卵胞チェックに行っており、不妊治療の整体院でしばらく生活習慣と含め指導をしてもらってい(ここの家
でお灸もしています)、自律神経はかなり整ってきた自覚があるのですが、不正出血は今のところ改善しません。
4月に玄和堂クリニックへ行き、漢方を飲み始めました。最初の3週間は血府逐翼湯(翼血と冷え対策)を取りましたが、排卵前から不正出血
が始まりました。前回5/10からはキュウキキョウガイトウを取っていますが、やはり黄体期に入った現在、出血があり、まだ取り始めて間
もないためなのか、自分に効いていないのか考えあぐねています。(ここのところむくみがひどいので、作用はしているのだと思います)。
プロゲステロンが5-8ng/mlと低めで、クリニックではホルモン治療を薦められますが、合成ホルモンは使いたくない一方で、不正出血
(黄体機能不全)を抜本的な治療しないと妊娠におぼつかない気もしています。年齢も年齢なので、できることは何でも試してみたいと考え
ていますが、私のようなケースに鍼治療で対応することは可能だと考えられるでしょうか?
当院の返事:
今の症状は、鍼灸治療の方が効果的だと思います。
患者様の返信:
黄体機能不全の治療を3月9日から始め、
3か月間で21回目の治療なります。 9回目から黄体機能不全がかなり改善されました。
治療を続けていたこともあり体調も良くなったように感じます。
昨日病院で検査したところ、黄体機能がかなりよくなったと言われました。ありがとうございます。
先生から間を開けず治療を続けるように言われ、仕事をやりくりして少しでも早く妊娠できるように治療に励んでいきたいと思っておりますので、宜しくお願いします。