ゴナドトロピン分泌異常症
ゴナドトロピン分泌異常症とは、視床下部や下垂体の障害により、同年齢の正常人に比較して、ゴナドトロピンが過剰に分泌されたり(分泌過剰症)、欠乏したり(分泌欠乏症)する病気です。
ゴナドトロピン(LH, FSH)分泌過剰症の代表は中枢性性早熟症(思春期早発症)です。奇形腫による絨毛性ゴナドトロピン (hCG) 産生、過誤腫によるLH-RH産生、胚芽腫や神経膠腫による思春期発現抑制機構の障害などが性早熟症に原因です。水頭症、脳炎、髄膜炎などの非腫瘍性中枢神経疾患においても性早熟が生じます。基礎疾患のない特発性の症例もあります。成人では下垂体や視床下部に存在する腫瘍において産生されるゴナドトロピン(LH、FSH、hCG)やLH-RHによりゴナドトロピン分泌過剰症が生じます。
当針灸(鍼灸)院のゴナドトロピン分泌異常症の治療目的は、ゴナドトロピン分泌異常症患者のできるかぎりの回復の機会を提供することとゴナドトロピン分泌異常症の完全な回復までの時間を短縮することです。ゴナドトロピン分泌異常症の治療は、西洋医学以外に中国などの国では、昔から針灸治療が盛んに行われてきました。当院もゴナドトロピン分泌異常症患者さんの期待に応えるため、25年間、ゴナドトロピン分泌異常症の治療に力を入れて、試行錯誤の末、当院の独自の電気針治療法を開発しました。そして良い成果を上げています。
鍼灸治療によって、全身の症状が改善します。治癒した例、改善した例を合わせると患者の65%は経過がよいと考えられます。
ゴナドトロピン分泌異常症の原因が多様なため、当針灸(鍼灸)院の治療方法もそれに応じて、多様に渡って行います。当針灸(鍼灸)院は中医学的な弁証論治の基本を元に、特殊な電気針治療法を組み合わせることで、最大限の効果を引き出します。
ゴナドトロピン分泌異常症の視床下部を侵す病変には器質性と機能性の病変があります。器質疾患の代表は頭蓋咽頭腫と鞍上部胚芽細胞腫です。その他に最近は交通外傷が増加する傾向にあります。特発性のものでは周産期の視床下部障害が多く、骨盤位分娩や新生児仮死などの関係が注目されています。分娩を契機として母親に視床下部病変を生じることがあります。家族性LHRH単独欠損症は遺伝性のものと考えられます。機能性視床下部病変としては、ストレス、過度の運動、高度のやせや肥満を伴う栄養状態の変化、急激な環境変化、精神神経機能の変化などが知られています。慢性消耗性疾患に二次的に生じることもあります。下垂体を侵す主要な病変は、下垂体腫瘍、炎症、細胞浸潤、出血壊死、転移性腫瘍、自己免疫などです。
ゴナドトロピン分泌低下に伴う特徴的な症状は、無月経、性欲低下、インポテンス、不妊、陰毛・腋毛の脱落、性器萎縮、乳房萎to縮、二次性徴の欠如です。
ゴナドトロピンの分泌過剰症の男児では9歳以前に、女児では7歳以前に二次性徴が発現します。思春期の徴候が出現すると、身長増加が促進され正常児より高身長を示します。下垂体腫瘍が存在すると頭痛、嘔気、視野障害などを生じることがあります。下垂体腺腫に伴う局所症状や下垂体機能低下症状を示すことがあります。
ゴナドトロピン分泌異常症の症状と、血中の性ホルモン(男子のテストステロン、女子のエストロゲン)やゴナドトロピン濃度が正常と比較して低いことで判断します。また原因として、視床下部・下垂体に腫瘍などの病変がないか確認しなければなりません。
ゴナドトロピン分泌異常症の西洋医学治療は、治療可能な基礎疾患(腫瘍・炎症・肉芽腫など)に対しては原因治療を行います。副腎不全や甲状腺機能不全を合併している場合にはこれらのホルモンの補償を開始します。
ゴナドトロピン分泌異常症の症例 :ゴナドトロピン分泌異常症患者12名、取穴:人迎、廉泉、合穀、足三里、三陰交、天突、陽陵泉、曲池。電気針。
ゴナドトロピン分泌異常症の鍼灸臨床経験 :当針灸院(鍼灸院)では、多くのゴナドトロピン分泌異常症患者の症状を回復させてきました。今も多くのゴナドトロピン分泌異常症患者が通っていらっしゃいます。ゴナドトロピン分泌異常症患者の一人一人の症状に合わせて、当針灸院(鍼灸院)はきめ細かな針灸治療を行っています。針灸治療の結果、ゴナドトロピン分泌異常症患者の生活の質と予後はかなり良好です。大多数のゴナドトロピン分泌異常症患者は正常の生活に戻ることが可能になりました。