VDT症候群(テクノストレス)
VDT症候群とは、コンピュータのディスプレイなど表示機器(VDT)を使用した作業(VDT作業)を長時間続けたことにより、目や体、精神に支障をきたす病気のことです。別名テクノストレス眼症とも呼ばれます。VDTとは、コンピューターを使用するための表示装置のことです。現代では職場や家庭、子供の遊びにも浸透しています。VDTの普及は、目にとっては大きな出来事といえます。
VDTの英語はVisual Display Terminalです。1984年頃、アメリカ・シリコンバレーで、アルコール依存症、薬物依存症、うつ病、自律神経失調症などが多発し、その背景にテクノストレスがあります。アメリカの心理学者、クレイグ・ブロードは、「人がコンピュータ・テクノロジーに適応しようとする際には、様々な障害に遭遇する可能性がある」と著書の中で述べています。彼が生み出した言葉「テクノストレス」は、コンピュータを扱うことが原因で起きる精神的な失調症状の意味で使われています。テクノストレスには、コンピュータに適応しすぎて人とうまくコミュニケーションがとれなくなる「テクノ依存症」、逆に、OAの進歩に伴い、コンピュータにうまく適応できない不安からくる「テクノ不安症」、パソコンなどVDT作業を長時間続けてきた結果、身体的症状の起こる「VDT症候群」などがあります。
パソコン類のOA機器による、目の不快感を訴える人が年々増え続けています。実はOA機器が目に悪いという医学的な根拠はありませんでした。ところがOA機器を扱う人たちの間に体調不良が目立ち始め、「VDT症候群」という症状の定義ができました。これは「テクノストレス眼症」ともいわれ、パソコンやテレビゲーム機などの画面を見る作業によって起こる症状です。
頸肩腕症候群は、頸部になんらかの異常があって、神経・血管が圧迫されて、首から肩や上肢にかけての痛み、肩こり、しびれ感が出てきます。以前は、これらの症状があっても、原因のはっきり分からないものが多かったため、これらの症状をもつものを総称して、頸肩腕症候群と呼んでいました。頸部椎間板ヘルニア、変形性頸椎症、胸郭出口症候群や五十肩もこのなかに含まれていたのです。しかし、医学の進歩により、それぞれの原因が解明され、その原因に基づいた病名がつけられるようになりましたので、頸肩腕症候群という病名は、ほとんど使われなくなりました。
ところが、1960年代からの産業の技術革新により、作業の機械化にともなう単純くり返し作業が広く導入されるようになって、頸・肩・腕を中心とする痛み、こり、しびれを訴える労働者が増加して社会問題となりました。
そこで、産業衛生学会が、上肢作業に従事することによって頸・肩・腕の痛み、こり、しびれをきたす疾患を頸肩腕症候群と定義したため、再びこのあやふやな名前が使われ出したのです。これは一種の神経性疲労疼痛症候群で、キーパンチャー障害、レジスター障害などが含まれます。
腕を浮かせた姿勢で、長時間キーをたたく動作を繰り返す作業で、頚・肩・腕の自発痛、運動痛、こり、脱力感、しびれ感などの共通した自覚症状があらわれ、この自覚症状が強いわりには、他覚症状が少ないことが特徴です。
「テクノ依存症」は、コンピュータに没頭するあまり、コンピュータがないと不安に感じたり、現実での人との付き合いをわずらわしく感じ、人間性を失いかけている症状のことです。主に、うつ・不安症状が出てきます。そして、コンピュータに長時間触れていると、時間の感覚がなくなってきたり、社会的に孤立感を感じてしまったり、人に邪魔されるのが我慢できない、待てない人間になったりします。
コンピュータは、いつも欲しい情報を即答で与えてくれ、それに慣れてくると、他人が即答しない場合にイライラ感じます。そのため、共同作業が苦手で、会社でも学校でも孤立した生活を送るようになります。他に興味を持てるものがないと、欲求不満の塊となり、常に苛立ちを感じてしまうのです。
また、視力の低下、首や肩、背中、手の痛み、目の疲れやぼやけ、全身のだるさなど、身体的にも影響を及ぼします。
「テクノ不安症」は「テクノ依存症」とは逆で、コンピュータの操作がうまく出来ず、コンピュータは難しく、怖いという意識に追い詰められてしまい、コンピュータを避けるようになったり、操作を苦痛に感じることで、それが強いストレスとなり、動悸、息切れ、肩こり、めまいなどの身体的症状があらわれたりします。今まで会社ではコンピュータとは無縁だった中高年の人などが、会社の業務としてコンピュータを導入するようになり、こういった自律神経失調症やうつなどの症状がおきやすくなっています。
ネット依存症症状としては「テクノ依存症」とほぼ同じで、インターネットに依存しすぎて、実際の社会生活のうえで、人とうまくコミュニケーションがとれず、生活に支障がきたしてる状態です。最近はインターネットだけじゃなく、携帯電話にも同様のことが言えます。
当院のVDT症候群の目的は、VDT症候群の回復程度を高めることとVDT症候群が完治するまでの時間の短縮することです。
多くの西洋医学治療で回復できないVDT症候群患者さんの期待に応えるため、当院が25年間、VDT症候群の治療に力を入れて、臨床経験を重ねた結果、独自な電気ハリを考案いたしました。そして良い成果を上げています。
VDT症候群が頑固なため、当院の治療方法もそれに応じて、多様に渡って行います。当院は中医学的な弁証論治の基本を元に、特殊な電気ハリで、最大限の効果を引き出しています。
VDT症候群は、パソコンを長時間使うことによって起こる眼精疲労・頭痛・吐き気など、いろいろな心身の不調をひきおこす症状です。ディスプレイ作業を続けている人の実に60%以上が目の疲れ、いらいら、など、このVDT症候群に悩んでいるといわれています。目の疲れだけでなく、VDT症候群症状がひどいと、手足のしびれ、肩こり、足腰の痛みなどの筋肉や骨の症状だけでなく、精神的症状もあらわれたりします。頭痛やめまい、だるい、不安感を抱く、うつ状態だけでなく、女性は生理不順になったり、流産をおこしやすくなるので、早めに治療を受けましょう。
VDT症候群(テクノストレス)鍼灸治療 :VDT症候群(テクノストレス)患者156名。そのなか、頸肩腕症候群型のVDT症候群30名、取穴:風池、風府、大椎、肩髃(けんぐ)、天宗、風門、肺兪、後渓、曲池。電気針、20分間後、吸い玉20分間。眼の症状型VDT症候群患者126名、取穴:眼底穴、球後、風池、翳明、上星、太陽、晴明、翳風、養老、合穀。針体から微電流を流し続けます。
VDT症候群(テクノストレス)鍼灸臨床経験 :当院では、多くのVDT症候群の症状を完治、或いは改善してきました。今も多くのVDT症候群患者が通っていらっしゃいます。VDT症候群患者の一人一人の症状に合わせて、当院はきめ細かい針灸(鍼灸)治療を行っています。中国鍼灸院の針灸(鍼灸)治療では、VDT症候群患者の回復と予後は良好で、多くのVDT症候群患者は普通の生活が可能となりました。VDT症候群(テクノストレス)の眼、体、精神などさまざまな症状に対しては、すべて対応できるのは鍼灸のみです。頸肩腕症候群、眼の症状、神経症状治療では鍼灸治療は即効性があり、高い完治率を誇っています。
木村さん、28才、男性、会社員。IT関係の仕事で、一時期、毎日の連続作業時間が12時間を越えていました。3年前から近視、角膜炎、結膜炎などのほかに、ひたいの圧迫感やめまい、吐き気などがありました。VDT症候群と言われて、病院は対症療法しかなく、なかなか治りませんでした。当院の鍼灸治療を受け始めてから、すっかり近視、角膜炎、結膜炎が治って、長時間仕事しても、眼やひたいの圧迫感やめまい、吐き気の症状が出てきません。あれから、再発しないように、VDT症候群(テクノストレス)予防法を従って、健康管理をしてもらっています。