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高プロラクチン血症

高プロラクチン血症の中国鍼灸治療

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高プロラクチン血症の原因

高プロラクチン血症の原因|高プロラクチン血症【産婦人科疾患】

高プロラクチン血症とは、脳下垂体から放出される刺激ホルモンで、乳腺を刺激して乳汁を分泌させるように働きますが、このホルモンの分泌が異常に亢進して乳汁分泌、無排卵月経などを起こすようになったものを高プロラクチン血症といいます。
高プロラクチン血症が成熟女性に生じると、月経不順・無月経・不妊をきたし、しばしば乳汁漏出も出現します(乳汁漏出・無月経症候群)。高プロラクチン血症は下垂体のプロラクチン産生腫瘍、視床下部障害、薬物の副作用などにより引き起こされます。プロラクチン産生腫瘍は下垂体腺腫の中で最も頻度の高いもので、女性に多く、多くはミクロアデノーマです。男性の場合、無症状のことも多いので、1cm以上の比較的大きなマクロアデノーマで発見されることが多いようです。プロラクチノーマは、薬物療法が治療の第1選択とされる唯一の下垂体腫瘍です。

高プロラクチン血症について当院の取り組み

当院における高プロラクチン血症治療の目的は、妊娠に至るまでの時間を短縮すること、または、高プロラクチン血症治療なしでは妊娠しないカップルに妊娠の機会を提供することです。
近年、高プロラクチン血症の治療は、西洋医学以外にも新しい治療法を求める動きが世界中に広がりました。欧米、中国などの国では、鍼灸や漢方治療の高プロラクチン血症に対する有効性が再認識するようになっています。
高プロラクチン血症患者さんの期待に応えるため、当院が25年間、特に高プロラクチン血症の治療に力を入れて、そして良い成果を上げています。
鍼灸治療によって、治癒した例、改善した例を合わせると患者の85%を占めます。
高プロラクチン血症の原因が多様なため、当院の治療方法もそれに応じて、多様に渡って行います。当院は中医学的な弁証論治の基本を元に、肝郁腎虚、沖任失調、摂精不能に分け、疏肝理気、補腎填精、調理沖任、活血化瘀の治療を行われます。特殊なお灸やハリなど東洋医学的な治療方法を組み合わせることで、最大限の効果を引き出します。

高プロラクチン血症の原因と分類

高プロラクチン血症の原因はいろいろありますが、現在、考えられるのは:

  1. 腫瘍性高プロラクチン血症:下垂体にはよくできものが生じます。これには下垂体そのものからできるできもの(下垂体腺腫)や下垂体の近くにある組織からできるできもの(ラトケ嚢胞、頭蓋咽頭腫、髄膜腫)や転移性脳腫瘍などがあります。 高プロラクチン血症を生じる原因にはこのうち下垂体腺腫、ラトケ嚢胞、頭蓋咽頭腫などがあげられます。そのなかでも、若い女性の月経不順の原因となるもので最も多いのが下垂体腺腫です。下垂体腺腫は下垂体そのものからできるできものですが基本的には(99%)良性です。下垂体腺腫にも大きく分けて二つのタイプがありホルモンを産生しないタイプ(非機能性下垂体腺腫)とホルモンを産生するタイプ(ホルモン産生性下垂体腺腫)があります。  ホルモン産生性下垂体腺腫とは下垂体の性格を有しており、特定のホルモンを過剰産生する腫瘍です。そのひとつにプロラクチンを産生する腫瘍があり、20代女性によくみられる腫瘍です。この腫瘍ができると、プロラクチンが過剰産生され高プロラクチン血症を生じます。  時に、非機能性下垂体腺腫やラトケ嚢胞、頭蓋咽頭腫などでも高プロラクチン血症が生じることがあります。この原因は腫瘍が下垂体柄を障害して機能性高プロラクチン血症と同じ病態になるためです
  2. 機能性高プロラクチン血症:下垂体から分泌されるホルモンは視床下部というところからコントロールされています。基本的には視床下部から下垂体を刺激するホルモンが分泌されその命令によって下垂体からホルモンが分泌されています。このため、ストレスやいろんな原因によって視床下部からのホルモンバランスがくずれて結果的に下垂体からのホルモン分泌異常をきたします。 プロラクチンの場合は下垂体からは分泌が過剰に行われる仕組みになっており、視床下部からこれを抑えるホルモン(ドーパミン)が産生されてプロラクチンの産生がコントロールされています。すなわち、視床下部は下垂体にブレーキをかけることによってプロラクチンの産生をコントロールしています。このブレーキがいろんな理由によってうまくかからないと高プロラクチン血症が生じます。
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  4. 薬剤性高プロラクチン血症:薬剤のなかにはドーパミンを抑える働きのある薬がありこのような薬を服用するとプロラクチンが高値となります。睡眠薬、精神安定剤、胃薬などにこのような作用があり、これらの薬を服用すると一時的に高プロラクチン血症をきたします。

高プロラクチン血症の症状

高プロラクチン血症の症状は、無月経患者の15〜20%を占めます。成熟女性が妊娠・産褥期以外に無月経・乳汁漏出をきたした場合、高プロラクチン血症が考えられます。高プロラクチン血症が小児に生じると乳腺の発育をきたします。
男性では性欲減退、乏精子症の原因となり、乳汁漏出がみられることもあります。
プロラクチノーマが大きくなると局所症状として、視力・視野障害などの視神経障害や頭痛が出現することがあり、さらに下垂体機能低下症症状をきたすことがあります。

高プロラクチン血症の検査と診断

血中プロラクチンの測定を行い、高値を証明します。まず、プロラクチン高値をきたす原因となる薬剤を服用していないか検索します。原発性甲状腺機能低下症によることがあるため、甲状腺機能のチェックも行います。

高プロラクチン血症西洋医学的な治療

大まかに分けて待機療法、薬物療法、外科療法の3種の治療法。

  1. 薬物療法
     
  2. 手術治療

高プロラクチン血症鍼灸の治療法

高プロラクチン血症鍼灸治療症例と臨床経験

高プロラクチン血症鍼灸治療症例 高プロラクチン血症患者77名、取穴:子宮、中極、気海、関元、天枢、腎兪、次髎、足三里、三陰交、太沖、内関、合穀。電気針。気海に間接灸9壮。

高プロラクチン血症鍼灸臨床経験 高プロラクチン血症患者には西洋医学のホルモン療法と手術以外に、東洋医学の鍼灸治療でも、かなり効果があげられることは、日本では、あまり知られていないようですが、中国では、婦人科医なら、常識です。中国では、婦人科系疾患では、副作用なく、効果確実な鍼灸が良く採用されます。

参考:高プロラクチン血症の漢方治療

@気滞血瘀「オ」型:膈下逐瘀湯

A寒湿型:少腹逐瘀湯

B湿熱血瘀「オ」型:清熱調血湯

C気血虚弱型:十全大補湯

D肝腎虚弱型:左帰丸

下逐瘀湯[処方]當歸9、桃仁6、甘草3、紅花3、川芎6、牡丹皮6、赤芍6、烏藥9、五靈脂9、香附9、枳殼6、延胡索6

少腹逐瘀湯[処方]當歸9、蒲黃6、赤芍6、五靈脂9、川芎6、肉桂6、沒藥6、延胡索9、乾薑3、小茴香6

十全大補湯[処方]黄耆5.0、桂皮3.0、熟地黄3.0 芍薬3.0、川きゅう3.0、蒼朮3.0 当帰3.0、人参3.0、茯苓3.0 甘草1.5

左帰丸[処方]熟地18 山薬15 枸杞子15 山萸肉12 川牛膝9 菟絲子12 鹿角膠12 亀板膠12

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