クロウ・フカセ症候群
クロウ・フカセ症候群とは、クロウ・フカセ症候群とは免疫グロブリンを産生する形質細胞の異常が基礎にあり、おそらくこの異常な形質細胞増殖に伴って産生される特殊なタンパク質(血管内皮増殖因子:VEGFと略されます)によって、末梢神経障害、手足のむくみ、皮膚の変化(色素沈着、剛毛、血管腫)、胸水・腹水、など全身の様々な症状が出現する病気とされています。日本では報告者の名前をとってクロウ・フカセ症候群と呼ばれます。欧米では主な症状の頭文字をとってPOEMS症候群(P:polyneuropathy−多発神経炎、O:organomegaly−臓器腫大、E:endocrinopathy− 内分泌障害、M:M-protein−M蛋白、S:skin changes−皮膚症状)といわれていますが両者は同じ病気です。
クロウ・フカセ症候群の鍼灸治療症例 :クロウ・フカセ症候群患者、大椎、天突、尺澤、豊隆、足三里、肺兪、腎兪。直接灸。
クロウ・フカセ症候群の鍼灸治療臨床経験 :当院では、多くのクロウ・フカセ症候群患者の症状を回復、或いは改善させてきました。今も多くのクロウ・フカセ症候群患者が通っていらっしゃいます。クロウ・フカセ症候群患者の一人一人の症状に合わせて、当針灸院(鍼灸院)はきめ細かく具体的な針灸治療方法で対応しています。針灸治療では、クロウ・フカセ症候群患者の生活の質と予後は比較的良好です。大多数のクロウ・フカセ症候群患者は社会復帰が可能になりました。 特にお灸の併用で、呼吸困難、呼吸不全、乾性咳嗽などには、かなり効果が得られます。
クロウ・フカセ症候群の原因はまだ完全には分かっていませんが、骨髄や一部のリンパ節に発生した形質細胞増殖に伴って分泌される血管内皮増殖因子(VEGF)というタンパク質が症状を起こしていることが推定されています。VEGFは血管の増殖を促進し、また体液の血管外への透過性を亢進させることにより、多彩な症状を出すとされています。患者さんの血液中にはVEGFが非常に高い濃度で存在し、病気の活動性とも相関することがわかってきました。
クロウ・フカセ症候群の症状は、さんは末梢神経障害による手や足先のしびれ感や脱力で発症し、この症状が進行するにつれて、皮膚の色素沈着や手足の浮腫(むくみ)が出現してきます。患者さんによっては胸水や腹水の貯留が先に発見されたり、また男性では女性化乳房から発症することがあります。これらの症状は未治療では徐々に進行して行き、次第に様々な症状が加わってきます。診断は末梢神経障害や骨病変の精査、血液検査によるM蛋白の検出や血管内皮増殖因子の高値などに基づいてなされます。
薬物療法:副腎皮質ステロイド剤と免疫抑制剤の2種類です。