直腸がん
直腸がんとは、直腸の組織内にがん細胞が認められる病気です。
直腸は身体の消化管システムの一部です。消化管システムは食事から得られた栄養素(ビタミン、ミネラル、蛋白質など)の消化吸収と老廃物が体外に排出する役割を担っています。消化管システムは食道、胃、小腸、大腸からなっています。大腸の最初の6フィート(約1.8m)を占めるのが結腸です。大腸の最後の6インチ(12.5cm)が直腸と肛門管です。
大腸癌は結腸と直腸の粘膜の分泌腺組織にできる腺癌です。初めは、結腸や直腸の粘膜やポリープがボタンのようにふくらんできます。癌が進行すると結腸壁や直腸壁に浸潤します。周囲のリンパ節にも浸潤します。腸壁、特に直腸壁からの血液は肝臓へ流れるため、肝臓へ広がりやすく(転移)、その後すぐにリンパ節にも転移します。
直腸がんの原因は、現在では動物性脂肪の摂取量の増加と考えられていますが、決定的な原因はまだ見つかっていません。
直腸がんの症状は最も多いのが血便です。そのほかには排便に伴う症状が出やすいのが特徴で、便秘、便が細くなる、テネスムス(排便がなくてもたびたび便意を感じる症状)、腹痛などが主な症状ですが、かなりの進行がんになるまでまったく症状がない場合も少なくありません。
直腸がんを発見し、診断するには、直腸および大腸の検査が用いられます。
直腸指診、肛門鏡検査、硬性直腸鏡検査、注腸造影検査、大腸内視鏡検査などが行われます。直腸指診では肛門から約7cmの距離まで観察ができます。肛門鏡では約10cm、硬性直腸鏡では約25cmまで観察ができます。それ以上の観察には、注腸造影検査(バリウムを肛門から注入してX線撮影を行う)、大腸内視鏡検査(肛門から内視鏡を挿入して観察する)が必要になります。
内視鏡検査は、現在ではほとんどが電子内視鏡になり、先端にテレビカメラがついていて、モニターを見ながら検査を行います。内視鏡は日進月歩で改良され、熟練した内視鏡医であれば、ほとんど苦痛なく、10~30分で検査が終わります。また内視鏡検査では、観察以外に切除などの治療も同時に行うことができます。
免疫細胞療法には、培養する免疫細胞の種類の中で、主にT細胞を活性化し、増殖させる「活性化リンパ球療法」(LAK療法)と、主にNK細胞を活性化し増殖させる「NK細胞療法」と、主に樹状細胞を活性化し増殖させる「樹状細胞療法」があります。 T細胞は、比較的培養が簡単で、増殖させやすく、数を容易に増やすことが出来るメリットがありますが、そのままでは、がん細胞を悪者と認識することが出来ないという難点があります。 NK細胞は、ナチュラルキラー細胞という極めて原始的な細胞で、がんであれ何であれ、異物と見れば即座に攻撃する性質を持っています。 樹状細胞は、それ自身で攻撃する能力は無く、T細胞に、がん細胞の特徴を教えて、がんを攻撃できるように教育する細胞です。T細胞にがん細胞の特徴を教えるためには、樹状細胞に、死んだがん細胞を食べさせる必要があり、手術の時にがん細胞を取っておかなければなりません。さらに、大量のリンパ球を採取するために、特殊なリンパ球分離装置を用い、3~4時間かけてアフェレーシス(成分採血)を行う必要があります。患者様への負担も大きく、全ての患者様には適応できません。 現在、比較的簡単に培養できる「活性化リンパ球療法」を施行しているクリニックが多く、データも多いです。例えば、肺癌術後に免疫療法を施行するのとしないのとで、活性化リンパ球療法でのデータでは5年生存率で30%以上の差があるとの発表もあります。しかし最近ではこの作用の主役はNK細胞であると考えられており、NK細胞を選択的に増殖させた「NK細胞療法」の場合は更に良いデータが出ると思われます。「NK細胞療法」は「活性化リンパ球療法」から進化した治療法に当たり、「樹状細胞療法」は、まだデータが乏し過ぎます。ですから、当グループクリニックでは、直腸がんには、NK細胞を活性化し増殖させる「NK細胞療法」が最も適していると考え、施行しております。
直腸がんに関しては、ことに進行がん、再発がん、転移がんといった場合、ほとんどのケースで 根治治療(完全治癒を目指す治療)としての外科手術が適応外となり、化学療法(抗癌剤治療)が中心となります。しかしながらこの抗がん剤治療は、治癒を目指すものではなく、腫瘍の縮小が その目的となります。腫瘍の断面積が2分の1になった状態が4週間続けば、奏功したと表現されます。残念な事にその奏効率自体も、患者様にとって満足のいくものではないのが現状です。 標準治療としての化学療法は、患者様の耐えられる最大限の抗がん剤を投与します。その結果、仮に奏功したとしても、甚大な副作用を及ぼし、QOLの低下を余儀なくされます。 さらに患者様自身のがんと戦う力=免疫力を低下させてしまいます。 奏功しなかった場合には、抗がん剤の毒性のみを受けてしまうということにもなりがちです。 結果、全体としての延命期間が平均するとごくわずかということにもなっています。
現代漢方は、近年急速に広がってきた西洋医学の先端治療法ですが、当グループクリニックではさらに自律神経免疫療法との併用によってより高い治療効果を目指しています。自律神経免疫療法によって、患者様の身体を副交感神経優位の状態にもって行きます。 その状態のほうが、より免疫細胞療法の効果を引き出せると考えられるからです。 進行がん、再発転移がんに限らず、標準治療に加えてもう一つ、力強い治療を受けたいとお考えの患者様に有力なご提案をしていきます。 がん患者様とともに… 直腸がんに関しては、他にも新しい治療法、治療薬、それらの併用療法が次々と開発されています。当グループクリニックでは前述の「複合免疫療法」以外にも、新しい治療法に取り組み、患者様とともに明るい未来を築いていきたいと熱望しています。