天疱瘡
天疱瘡とは、前駆症状なく、健康な皮膚にいろいろな大きさの水ぶくれ(水疱)ができる病気です。
天疱瘡は中年層や高齢者に最も多くみられる病気で、天疱瘡の発病年齢は40〜60歳代に多く、また性別では女性にやや多い傾向があります。天疱瘡という病気は自己免疫性水疱症といって、自分の皮膚の表皮、あるいは粘膜の上皮のある成分を攻撃する抗体が体内で作られてしまい、その結果表皮の細胞がバラバラに離れて皮膚に水疱がたくさん現れます。
表皮の細胞間を接着するタンパクに対して抗体ができ(自己抗体)、その自己抗体が表皮細胞間の接着構造を破壊するために表皮細胞がばらばらになって表皮の中に水ぶくれ、ただれが生じるのが天疱瘡です。また、自己抗体が表皮と真皮間の接着タンパクに対してつくられると、表皮と真皮の間に水疱ができます。それを類天疱瘡といいます。これらの自己免疫のシステムによって生じる水疱症をまとめて自己免疫性水疱症といいます。天疱瘡はさらに自己抗体の種類の違いによりいくつかの病気に分けられますが、尋常性天疱瘡と落葉状天疱瘡が代表的です。
当院の天疱瘡の治療目的は、天疱瘡患者にできるかぎりの回復の機会を提供することと天疱瘡の完全な回復までの時間を短縮することです。
天疱瘡はなかなか治らない現状の中、当針灸(鍼灸)院は30数年前から天疱瘡の針灸治療を取り組んできました。
試行錯誤の末、独自の電気針治療法【皮膚透穴針】を開発しました。特殊な鍼と電気の併用で良い成果を上げています。多くの天疱瘡患者さんの症状の回復が見られました。
【皮膚透穴針】治療によって、全身の症状が改善します。治癒した例、改善した例を合わせると患者の70%は経過がよいと考えられます。
当院の治療は天疱瘡の頑固さに応じて、多岐に渡って行います。当鍼灸(針灸)院は中医学的な弁証論治の基本を元に、特殊な電気針治療法を組み合わせることで、最大限の効果を引き出します。そして天疱瘡の症状の回復で、天疱瘡患者さんの生活の質を向上させるのに役に立っています。
天疱瘡の鍼灸治療症例 :天疱瘡患者299名、【皮膚透穴針】取穴:血海、大椎、曲池、手三里、合穀、魚際、太淵、足三里、伏兎、風市、環跳、陽陵泉、絶骨。
天疱瘡の鍼灸治療臨床経験 :当院では、多くの天疱瘡患者の症状を回復、或いは改善してきました。今も多くの天疱瘡患者が通っていらっしゃいます。天疱瘡患者の一人一人の症状に合わせて、当院は具体的な針灸治療方法で対応しています。当鍼灸(針灸)の針灸治療で、天疱瘡患者の皮膚症状の回復はかなり良好で、多くの天疱瘡患者は普通の生活に戻ることが可能になりました。
当院独自開発した【皮膚透穴針】:患部にある二つ離れている特殊なツポに一本の針を通し、微電流をかけ、これらの刺激が生物電信号に変わり、神経の伝達を通じ,
皮膚組織を健常化する仕組みです。
1.【皮膚透穴針】:特殊なツボにハリを打ちます 。
2.ハリに微弱電流を流します。
3.皮膚動脈の血流量が増え、皮膚への血流供給が増え、皮膚に栄養が行き渡るようになります。
4.自己抗体の形成を抑えます。
5.善玉の免疫を活性化します。
【天疱瘡治療の実際様子と流れ】
1.当院独自開発した【皮膚透穴針】治療法:
特殊なツボにハリをうちます。
2.ハリに微弱電流を流します。
3.痛みを感じない程度の治療が多いので、
寝ってしまうことがあります。
4.起きたら、治療完了です。
5.鍼灸治療が終わった後に生活注意事項を説明します。
天疱瘡は、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、その他の3 型に大別されます。その他として,腫瘍随伴性天疱瘡、尋常性天疱瘡の亜型である増殖性天疱瘡、落葉状天疱瘡の亜型である紅斑性天疱瘡、疱疹状天疱瘡、薬剤誘発性天疱瘡などがあります。
天疱瘡は自分の表皮の成分(デスモグレインという細胞間接着因子)を攻撃する抗体(自己抗体)が病気を起こすことが分かっています。このような抗体が作られる詳しい原因はまだよくわかっていませんが、本来の体質(内因)に、生活習慣や環境(外因)の影響が加わって生じると考えられています。
免疫グロブリンは、本来はウイルスやばい菌と闘うために私たちの体のなかにある蛋白質ですが、天疱瘡の場合、その一部が自分の皮膚と闘い出すために皮膚が傷んでしまいます。具体的には、尋常性天疱瘡では皮膚のデスモグレイン(細胞と細胞をつなぐ蛋白質)3を、落葉状天疱瘡では皮膚のデスモグレイン1を攻撃します。
天疱瘡の検査は皮膚の組織検査を必ず行います(皮膚生検、皮膚病理組織検査)。普通の病理組織検査のみならず、表皮に抗体が沈着していることを証明する検査(蛍光抗体直接法)が必要です。抗体が、表皮細胞の間に沈着している場合は天疱瘡を、表皮と真皮の間に線状に沈着している時は類天疱瘡を考えます。さらに、血液中に、表皮に対する自己抗体が存在することも証明できればより確実です(蛍光抗体間接法、免疫ブロット法)。
天疱瘡の診断は臨床的診断項目、免疫組織学的診断項目と病理組織学的診断項目で判断します。
a.のうち少なくとも1項目とを満たし、かつ、のうち少なくとも1項目を満たす症例を天疱瘡とする。b.のうち少なくとも2項目以上を満たし、のa.、b.を満たす症例を天疱瘡とする。
天疱瘡の西洋医学治療には主にステロイドの内服治療が行われます。免疫抑制剤、血漿交換療法などの併用により、ステロイドの総投与量を抑えることができ、ステロイドによる副作用の出現を少なくすることが可能です。また、ガンマグロブリン大量静注療法、B細胞に対する抗体療法(リツキシマブ)などの新しい治療の有効性も知られてきました。
尋常性天疱瘡は、一般的に落葉状天疱瘡に比べ難治性で、予後は悪く、特に口腔粘膜病変は治療抵抗性であることが多いです。
[ 症状、ご相談内容 ] :
尋常性天疱瘡を患っていて、昔に一度ステロイド治療をする為に入院とかしていました。その後糖尿や白内障を患い、現
在は病院にはかかっていません。ステロイドの服用もしていません。
皮膚に天疱瘡に特有の出来物ができては潰れ、じゅくじゅくして治らないと言うのを ここ1年位繰り返しています。本人はステロイド治療は
懲り懲りという思いをしていますので、ハリはどうかと娘の私が思い付きメールをさせて頂きました。今、特に気になる事が頭皮と耳たぶ
の後ろに出来てる出来物です。頭皮はなかなか治らず髪の毛もだいぶ抜けてしまいました。飲み薬、塗り薬など良いアドバイスをお願い致し
ます。
当院の返事:
治療アドバイスはできます。
出来れば、一度診察に来て下さい。
患者様の返信:
こんばんは!
ご丁寧に治療して頂き、皮膚の天疱瘡は少しずつ回復していて、潰れとじゅくじゅくは殆どなくなり、大変感謝致しております。
ありがとうございます。
とても希望が持てました。
今後とも宜しくお願い致します。
ありがとうございました。
[ 症状、ご相談内容 ] :
20代の娘がまだ診断はついていませんが、天疱瘡かもと言われています。この鍼治療は通わなければ効果ないですか?
こちら関西在住なので、頻繁には行けません。
何かアドバイスありますでしょうか?